2005-03-13東風「ウィッシズ」と大野俊三
最近購入したものから。とりとめなく。なんとなく、70年代の電気関連というのをおさらいしておきたいくて。っていうか、60年代70年代のリー・コニッツ聴きたいんだが、高くて買えないす。
では、だらだら、と。
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東風「ウィッシズ」UCCJ-9045
パーソネルは、菊地雅章(p,Fender Rhodes,Yamaha el-p,Arp Odyssey,Korg Synth-b,琵琶)、日野皓正(tp,perc)、Steve Grossman(ss,ts)、Dave Leibman(ss,fl)、Reggie Lucas(g)、Anthony Jackson(el-b)、Al Foster(ds)、Mtume(conga,ds)。
2002年のEAST WINDレーベルの再発1500円シリーズ。ニューヨークに渡った菊池と日野の双頭グループ。ライナーの児山紀芳によると、レジー・ルーカスはムトゥーメといっしょにリハにきてるうちに参加したくなって自主参加らしい。当初には、ベースはマイケル・ヘンダーソンを考えていたとも。要は、74年マイルス関係を基本にすえて、といった顔ぶれだが、音楽はもっと多様。全6曲を菊地作曲。
[1]雅楽からインスパイアされた著名な録音。全部譜面のパート1から、フリー的なパート2へ。琵琶以外はジャズ楽器だもんな。無理があるようで、ベースとドラムスでかろうじてジャズ的な。
[2]スピード感のあるサンバ風な混沌としたミニマルでエレクトリックなリズムの上で、日野のミュート~オープンとかわっていくトランペット。「Susto」を思い浮かべないわけにはいかない。あの複雑なブレイクはないけど。菊地のソロはピアノでマッコイ風。
[3]80年代マイルスみたいな(というか「Maiysha」みたいな)感じがする、不穏なミッドテンポのボサ曲。日野のミュート~ssはたぶんグロスマン~リーブマンのfl。
[4]日野をフィーチャーしたスロウなバラード。エコー効かせまくり。
[5]童謡みたいなテーマをもった、チーチキ、シャッフルリズムのホットチューン。AAOBB的ブギーといえばそうかな。レジー・ルーカスが、なんかついてきてないような感じ。リズムギターだけにしとけばよかった。終わり間際のリズムのグルーヴは熱い。
[6]日野と菊地(シンセとシンセベースの多重録音)のバラード的なデュオ小品。
関係ないけど、ライナーにあるスイングジャーナルでの76年6月の菊地のインタビューの抜粋を読むと、エレクトリック楽器やロック/R&Bのシンプルなリズムの導入は、スイングする技法のマスター後では音楽のエネルギーが半減するから、といったことをいってる。ただ、それをやっているのが、若きマスター達だからなぁ。どうなのかなぁ。
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パーソネルは、大野俊三(tp)、Cedric Lawson(el-p,org,clav)、Reggie Lucas(g)、Don Pate(el-b)、Roy Haynes(ds)、菊地雅章(org)。
録音は、1975年2月20,21日,3月6日 ニューヨーク。
これもEAST WINDの再発。大野の渡米後の初リーダー作。マイルス「Get Up With It」の「Rated X」や「Billy Preston」(72年秋のグループ)に参加してたセドリック・ローソンのクラビが左、右はレジー・ルーカスのグギャグギャしたリズムギターの、微細なリズムの洪水に翻弄される強烈なファンクチューンではじまる。以後全編ハードなエレクトリック・ファンク・ジャズで、大野のトランペットもハイノート連発でパワフルだが、セドリックのシンセソロも英国的で不思議で面白い。
菊地は1曲だけ、大野とのデュオ。教会音楽みたいな荘厳な感じのオルガンで。
ロイ・ヘインズはいつも(っていうかチック・コリア「Now He Sings, Now He sobs」)のシンバルワークとシャープなスネアって感じじゃなくて、まるで、ビリー・コブハムみたいなドタバタさ加減。すごい。