tettsunnの日記

2004-06-18

John Coltrane - 『Blue Train』

[]追加キーワード

やっぱりジャズジャイアンツ達から登録していこう…。

John Coltrane, Julian Cannonball Adderley

[]レビュー:John Coltrane - 『Blue Train』 (Blue Note) ASIN:B0000A5A0T

キーワード登録もかねて、今後一定の期間はいわゆる名盤を取り上げていこうかと思います。

Personnel: John Coltrane(ts), Lee Morgan(tp), Curtis Fuller(tb), Kenny Drew(p), Paul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds)

Tracks: 1.Blue Train 2.Moment's Notice 3.Locomotion 4.I'm Old Fashioned 5.Lazy Bird

Recorded:1957

「いわゆる名盤」と先ほど書いたが、よくよく考えてみれば「名盤」とはおかしな言葉である。昨日のレビューにもこの言葉を使った。全く便利な言葉だ。もちろん、元はと言えば「名盤」イコール「有名盤」のことであるが、「名盤」という言葉が一人歩きして「質の高い盤」という意味合いでも使われることが多い。もちろんその新しい意味のほうでこの言葉を使うことには僕も反対ではないけれど、本来の意味の「名盤」と新しい意味での「名盤」がどれだけ一致するかは、近年の激しいジャズCDの宣伝攻勢(特に某スイングジャーナルにおいてだが)に大きく影響されているということだけは指摘しておきたい。また、評論家がそう言えば全て「名盤」になるのがこの世界。いや、そのことに関しては否定はしない。ただ、「名盤」の認定の他にもおまえらがすることは山ほどあんだろーよ、とは言っておく。

さて本題はこの『Blue Train』のレビューだ。おそらくはジャズファンなら一度は聴いたことがあるはず。4曲目のバラード以外を全曲コルトレーンのオリジナルで固められているこのアルバムは、何よりもまず演奏の質において「名盤」の名を欲しいままにしている。「コルトレーンだから」とか、「ブルーノートだから」とか、そんな下らない理由からじゃない。音楽を聴いたことのある者なら一聴してわかるレベルの高い演奏、まずこれがあるのだ。できれば「シーツ・オブ・サウンド」という常套句は使いたくないのだけど、正にそうとしか表現できないコルトレーンのアドリブ。特に2曲目のテーマの後の彼のアドリブに関して、この曲の激しいコード・チェンジにおけるそのフレイジングのしなやかさは特筆に価する。続くCurtis Fullerは力み過ぎなのかいささかしつこい演奏だけど、その後で若いLee Morganが比較的自由な、それでいてコルトレーンの意図を汲んだ演奏をしている。それがよくわかるのが3曲目のブルースを基にした構成の高速4ビートの曲、「Locomotion」。コルトレーンの後Curtis Fullerを挟んで、Lee Morganが軽快なソロを聴かせる。単なる技量、相性と言ってしまえばそれまでだが、それらもまたレベルの高い演奏には必ず含まれているものだ。

このアルバムに関する特別な思い入れなどはない。それほど聴くわけでもない。ただ折に触れてこのアルバムを聴くたびに、自分のジャズ評価尺度の変に偏ってしまった部分が元に戻るような感じがする。これが「名盤」の力というものなのかもしれない。

評価:★★★★★(星5点満点)