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半熟三昧(ジャズ味) このページをアンテナに追加

2004-07-13

スピーカーを買ったので、新しいCDを買いに行きました。5枚買ってこれはそのうちの二枚。

[]Cal Tjader "Cal Tjader plays Harold Arlen & West Side Story" Cal Tjader "Cal Tjader plays Harold Arlen & West Side Story" - 半熟三昧(ジャズ味) を含むブックマーク はてなブックマーク - Cal Tjader "Cal Tjader plays Harold Arlen & West Side Story" - 半熟三昧(ジャズ味)

 もともとは"Cal Tjader plays Harold Arlen" と"West Side Story"二つのLPのニコイチCDレーベルはFantasy。

 サウンドの方向性は二枚ともほとんど一緒で、一枚はHarold Arlenの曲集で、もう一枚はWest Side Story、つまりLeonard Bernsteinの曲集というわけである。

 厳密に言うとこのCDジャズとは呼べない。これらの曲はよくジャズでも演奏される機会が多いが、ここではMusicalで流れていた原曲のイメージを極力尊重した演奏であると思う。

 Harold Arlenの前半部分はトリオ(ds/pf/vib)での演奏だが、ほとんどフェイクがなく、テーマをPf/Vibでユニゾン。ぶっちゃけて言えばジョージ・シアリング サウンド、である。スッカスカの音空間を、敢えて埋めない姿勢はことさらクールに映る。

 後半部は、この閑散としたサウンドにストリングスが入り、ちょっと脂っぽくなる。スッカスカのサウンドを埋めるこうしたやり方も、ジャズ的な手法ではない。

 West Side Storyではブラスも入った濃厚なオーケストレーション。やはり、いわゆるジャズアレンジではないのだが、Bernsteinの編曲とやや趣向が異なるのが新鮮ではある。二枚とも、アレンジはClare Fischerだ。サウンドの方向付けは彼がしており、彼のアルバムといえなくもない。Cal Tjaderはボーカリストのような立場に乗っかってメロディを叩いているだけ、のようにみえる。だからリラックスしているのかもしれない。

 一言で言うと、「ミュージックフェア、今週のゲストはCal Tjaderさんです」という趣きだ。彼がどう思ってこの演奏をしていたのか、知りたい。だけど、こういうサウンドって、アメリカ音楽のメインストリームだからなぁ。結構やって悪い気はしなかったんじゃないだろうか。

 そうそう、肝心なCal Tjaderの演奏であるが、テーマをフェイク少なく演奏しても、ノリというか、一瞬のバネが利いた瞬発力のある出音は、ジャズVibesの片鱗を覗かせるので、あまり退屈はしない。


[]Mike LeDONNE Quintet "'Bout Time" (Criss Cross) Mike LeDONNE Quintet "'Bout Time" (Criss Cross) - 半熟三昧(ジャズ味) を含むブックマーク はてなブックマーク - Mike LeDONNE Quintet "'Bout Time" (Criss Cross) - 半熟三昧(ジャズ味)

 フロントにTom Harrell(tp)とGary Smulyan(bsx)を擁した二管構成。ちょっと特殊なこの構成は、Lee Morganの"Cooker"とか、Half-Note Cafeの"Donald Byrd"とか、意外と由緒あるもんなんだよね。ちょっとゴリっとしたサウンドになるので、僕は結構好きです。

Gary Smulyanという人僕はよく知らないが、間違いなくこちらの系譜だと思う。間違ってもChet BakerとGerry Mulligunの方ではない。


 ……、このCDブラインドで聴かせて「リーダー当てクイズ」したら、八割くらいはトムハレルと答えそうな気がする。ピアノが全然印象にのぼらない。バッキングは貞淑(?)だし、ソロで出しゃばったりもしない。弾き倒したりもしない。

ジャッキー・テラソンとかミシェル・カミロとか「俺が俺がピアノ」を聞き慣れると、とてもあっさり味に思えてしまう。そんなに自己主張しなさすぎて、いいのか。

 なんか、学生バンドで、人柄がよくてリーダーになっている無口なピアノ弾きを思い浮かべてしまった。3回生に混じって一人だけ4回生、とか。

 サウンド的には孫悟空がお釈迦様の手のひらの上から逃げられないように、クリスクロスサウンドのイメージからは一歩も外に出ていません。以上。

2004-07-10

[]Freddie Hubbard "Hub Cap" Freddie Hubbard "Hub Cap" - 半熟三昧(ジャズ味) を含むブックマーク はてなブックマーク - Freddie Hubbard "Hub Cap" - 半熟三昧(ジャズ味)

 岡山のレコード店にて。

 Hub TonesとHub Capとどっちにしようか迷った末に買う。

 Hub Tonesはジャズ喫茶で聴いたことがあるので、Hub Capを買ったが、Tonesの方がやっぱりよかったかもと思う。

 あ、いきなり結論だ。



 サウンド自体は60年代のモーダルになりかけている微妙な時期のそれで、アンサンブルはいかにもBNといったクロースド・ボイシングで、暗く、やや重めである。完成されているという印象は受けるが、60年代のBNは、どれも紋切り型の印象がつきまとい、個性が弱い印象を受けてしまう。

 ジュリアンプリースターのソロは、涙なしでは聴けません。フリーフォーオール(メッセンジャーズ)のカーティス・フラーのソロと同じでどうにも、吹けてない。まだしも彼のリーダーアルバムであれば、もっといいテイクもあったのかもしれないが、主役じゃないから。集合写真で一人だけ目閉じちゃって映ってるけど、まぁ、採用されちゃった、みたいな。

こういうテイクを聴きながらしかし、頭の中でJulian Priesterが、「こうするつもりだったんだ」演奏というものを再構成するのも、屈折したジャズトロンボニストの楽しみではある。

2004-07-07

hanjukudoctor20040707

[]Dizzie Reece "Blues in Trinity" (BN) Dizzie Reece "Blues in Trinity" (BN) - 半熟三昧(ジャズ味) を含むブックマーク はてなブックマーク - Dizzie Reece "Blues in Trinity" (BN) - 半熟三昧(ジャズ味)

ASIN:B000025AFS

学生の末期の頃に買ったような、押入に眠っていたのを発掘。

確かディジー・リース、BNトランペット7賢人の一人だったような気がするが、定かではない。そもそも7賢人ってだれだっけ。ルイ・スミスとか入っていたような気がする。

 非常に素直なTp。ヨーロピアンな感じはあまりしない。

 リズム3人が、「大将のためにやりまっせ」みたいな感じを出してくれて、つかずはなれず、自己主張しすぎずで、ホーンの持ち味をだそうとしている感が窺える。

 ディジー・リースのラッパは、どちらかといえば膨らみの少ないエッジの効いたアタックが強い音で、ブルーノート特有のごりっとしたピアノに相性がいいように思う。フレージングは普通、無難といってもいいかもしれない。速いフレーズになるとハバードの様な「アクセルで曲げる!速いブレススピードで吹ききる!」みたいな感じのフレージングになる。訥々と吹くタイプではなく、フルバンで言えばセカンドくらいの音域で勝負するタイプだ。


で、お薦めかというと、まずまず。あえてこれを集める必要性はないけれど、僕は好きです。でも、手持ちCD300枚以内なら、もっといい買うべきものを買った方がいいような。

tettsunntettsunn2004/07/07 11:33「Blues in Trinity」は未聴にしてよく知らないのですが、Dizzie Reeceなら同じくBNの「Star Bright」もいいですよね。フルバンで言えばセカンド、というのはよくわかりますね。

2004-07-04

[]Antonio Carlos Jobim "Wave" (A&M) Antonio Carlos Jobim "Wave" (A&M) - 半熟三昧(ジャズ味) を含むブックマーク はてなブックマーク - Antonio Carlos Jobim "Wave" (A&M) - 半熟三昧(ジャズ味)

 これはね、Book-offで最近買った。1200円とやすかったのだ。この手のCDがこういう古本屋で売られているのは比較的珍しい。

 初めて聴いたのは大学1年の時だったと思う。二年生の時には「星の子Jobim」というバンドを組んでいた。Urbie Greenのようなことをしたかったんだけど、その当時は僕に技量がなくて、アドリブは出来ないし、ピッチも悪かった。だからあまり発展出来ずに消滅してしまった。Look to the Skyという曲をしたかったんだけどなぁ(もちろん、今でも)。

 改めて聴いてみる。当然ながらスッカスカのサウンド。そして、決して昇りつめない。かといって緊張感がないわけでもない。

 似合う季節は夏。だけど、冷房の聴いた部屋でソファーに座って聴くのがぴったりの音楽じゃないかな。

 基本的に、Bossa Novaってのは金持ちミュージックなんだ。


 Jobimはピアノベースで考えているせいかもしれないが、サウンド的には今聴けば意外に常識的だと思った。たとえばジョアン・ジルベルトなどは、やはりギターベースにしたコードワークなもんだから、それなりの玄妙さというか、僕には異界の音作りである。

 そんなわけでタテのコードワークは普通だが、コードのヨコの流れは、やはりこれは並ではない。

ちなみに、ジャケットもオシャレだし、リスニング向きではあるので、女の子にあげたりするのにもオススメである。現役プレーヤーの頃は、そういった「軍事目的転用可能」CDは、いささかストイシズムに欠けるものとして小馬鹿にしていたものだが。いやはや、損をしたものである。逆に世間のジャズイメージはそういうものが80%以上を占めているのに。

でも、なんでキリンなんだろう。